交通事故による視力障害・外傷性視神経症の後遺障害と賠償

交通事故後の視覚障害は、視力低下だけとは限りません。視野の一部が欠ける、物が二重に見える、眼球運動が制限される、まぶしさが強くなるなど症状はさまざまです。症状ごとに必要な眼科検査が異なるため、本人の訴えを一つの「見えにくい」にまとめず、どの場面で何が起きるかを具体的に伝えます。

事故前の視機能を確認する

近視、遠視、乱視、緑内障、網膜疾患等が事故前からある場合は、事故前の矯正視力・視野・治療歴を確認します。事故前から眼鏡を使用していたことと、事故後に新たな視覚障害が生じたことは別の問題です。過去の眼科記録や免許更新時の視力記録などが参考になる場合があります。

外傷性視神経症の経過

外傷性視神経症では、頭部・顔面への衝撃後に視力や色覚等へ影響が出る場合があります。眼底所見が乏しい時期もあるため、事故直後からの視覚症状、眼科受診時期、画像・専門医所見を時系列で整理します。症状を感じていたのに他の重傷治療が優先され、眼科受診が遅れた場合は、その事情も確認します。

視野障害の検査

視野の欠損は、本人が日常生活の中で気づきにくいことがあります。人や物にぶつかる、片側から来る車両に気づきにくい、文章の一部を読み飛ばすなどの変化があれば眼科へ伝えます。視野検査は検査方法や集中状態によって結果が変動することもあるため、医師の評価と複数回の検査経過を確認します。

複視・眼球運動

顔面骨折や眼窩周囲の損傷を伴う場合、視力自体が保たれていても複視が残ることがあります。正面、上方、下方、左右のどの方向で二重に見えるか、遠方・近方のどちらで強いかを確認します。階段、運転、PC作業などへの影響も具体化します。

仕事・運転への影響

視野・両眼視機能・複視は、運転、機械操作、パソコン、設計、医療、精密作業などへ影響します。事故前と同じ仕事へ復帰していても、運転業務を外れた、画面作業の時間を短くした、確認作業を他の人に任せるようになったなどがあれば記録します。

日常生活での支障

階段・段差で距離感が取りにくい、夜間外出を避ける、読書時間が短くなった、スマートフォンを見ると疲れるなど、生活の変化も具体化します。家族が運転を代わるようになった、買い物へ一人で行きにくくなったなどの事情も記録します。

後遺障害診断書の確認

視力、視野、眼球運動等の検査結果と診断書の記載が一致しているか確認します。片眼・両眼、矯正視力、左右の記載ミスにも注意します。複視や視野障害がある場合は、該当する検査結果が提出資料へ含まれているかを点検します。

左右の聴力、検査方法、耳鳴り・めまいの有無などが実際の状態と一致しているか確認します。聴力検査結果が複数ある場合は、症状固定時にどの結果を基準に評価しているのかも確認します。頭部外傷や神経症状を伴う場合には、関連資料が漏れていないか点検します。

示談前の資料

眼科の診療録、各種検査結果、事故前の視機能、顔面・頭部外傷の画像、仕事・運転への制限を整理します。視力検査の数値だけで示談せず、視野や複視など別の視機能障害が評価から漏れていないか確認することが重要です。

交通事故で頭部や顔面に強い衝撃を受けると、眼球そのものの損傷や、視神経へのダメージにより視力が低下することがあります。外傷性視神経症では、眼球に大きな外見上の損傷がなくても、視神経が障害されることで視力低下や視野障害が生じる場合があります。

このページの要点

  • 眼科で視力、視野、眼底、眼球運動など必要な検査を行います。
  • 事故前の視力や眼疾患の有無を確認し、事故後の変化を整理します。
  • 片眼・両眼のどちらに障害があるか、矯正視力がどの程度かを確認します。
  • 運転、読書、パソコン、精密作業など具体的な支障を記録します。

事故後にみられる視覚症状

視力低下、視野の欠損、まぶしさ、物が二重に見える、色の見え方が変わるなどの症状が出る場合があります。事故直後から明確なこともあれば、頭部外傷の治療中に視覚症状へ気づく場合もあります。症状を感じたら早い段階で眼科へ伝え、事故後からの経過を記録しておくことが重要です。

必要な眼科検査

後遺障害の評価では、単なる自己申告ではなく眼科的検査が重要です。視力検査、視野検査、眼底検査、眼球運動検査など、症状に応じた検査結果を確認します。外傷性視神経症では、画像検査や神経眼科的な評価が必要となる場合があります。

後遺障害申請

視力・視野等の障害は、測定値や障害範囲に応じて評価されます。具体的な等級は最新の基準と個別検査結果を確認します。事故前から近視や眼疾患がある場合でも、事故前の矯正視力や通院歴を確認し、事故による変化を区別します。

就労への影響

運転、機械操作、精密作業、医療、建設、デザイン、パソコン作業などでは視機能が重要です。片眼の視力低下でも、距離感や視野、疲労へ影響する場合があります。仕事を継続していても作業速度の低下、担当変更、運転業務からの除外などがあれば記録します。

よくある質問

片眼の検査値と事故前の視力を比較して評価します。

視力と視野は別の機能です。視野検査の結果を確認します。

事故前の矯正視力等と事故後の変化を整理します。

実際の生活・就労への影響として具体化します。

視力と視野は別々に評価する

「見えにくい」という訴えの中には、視力そのものの低下、視野の一部が欠ける、物が二重に見える、まぶしさが強いなど異なる症状が含まれます。後遺障害申請では、それぞれに必要な検査が異なるため、症状を一括して「視力障害」と処理しないことが重要です。視力検査、視野検査、眼球運動、眼底等の結果を症## 聴力検査の経過を比較する

聴力障害では一度の検査結果だけでなく、事故後の複数回の検査推移が重要になることがあります。急性期に一時的な変動がある場合や、治療後に一定の値へ落ち着く場合もあるため、検査日と結果を時系列で整理します。左右それぞれの結果、事故前の健康診断・耳鼻科記録があれば比較します。

矯正視力と事故前の状態

裸眼視力だけでなく、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正視力がどの程度かを確認します。事故前から近視・遠視・乱視等がある場合は、事故前の眼科記録、眼鏡処方、健康診断等が比較資料になる場合があります。事故前に同じ程度の視力低下があったのか、事故後に新たに低下したのかを区別します。

視野障害

中心視力が保たれていても、視野の一部が欠けることで運転、歩行、読書等へ大きな支障が出る場合があります。視野障害は本人が気づきにくいこともあるため、眼科で適切な視野検査が行われているか確認します。どちらの眼のどの範囲に障害があるか、複数回検査した結果の一貫性も重要です。

外傷性視神経症と画像・神経眼科所見

外傷性視神経症では、眼球自体に大きな損傷が見えなくても視神経への障害が生じる場合があります。事故態様、視力低下の発症時期、瞳孔反応、眼底、画像等の専門的所見を確認します。サイト本文から事故原因を断定せず、専門医が事故との関係をどのように評価しているかを重視します。

複視・眼球運動障害

顔面骨折や眼窩損傷を伴う場合、物が二重に見える複視が問題になることがあります。複視が常にあるのか、上方・下方を見るときだけ出るのか、頭位で変化するのか等を眼科で評価します。視力障害とは別の機能障害として整理します。

日常生活・安全への影響

片眼の視力低下や視野障害では、段差や距離感、夜間運転、階段、混雑した場所での移動へ影響する場合があります。読書やスマートフォン、PCで眼精疲労が強くなることもあります。事故前にできた活動と事故後の変化を具体的に記録します。

職種別の影響

運転、建設、機械操作、医療、精密作業、デザイン等では視機能が業務の安全・精度に直結します。事故後に運転業務を外れた、細かな検査・作業が難しくなった、PC作業時間を短縮したなどの事情を勤務先資料で残します。復職できているから影響がないと即断せず、配慮や担当変更の実態を確認します。

後遺障害申請前の資料整理

眼科診療録、視力・視野等の検査結果、頭部・眼窩画像、事故前の眼科記録があれば比較します。検査日ごとの数値に大きな差がある場合は、その理由を主治医へ確認します。非該当・想定より低い評価となった場合は、認定理由を確認して追加資料の有無を検討します。

監修:日本交通法学会正会員 倉橋芳英弁護士

最終更新日:

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