画像所見がない高次脳機能障害でPET検査などにより後遺障害12級が認定されたケース
事例サマリー この事例の主なポイント
50代の会社員女性が歩行中に乗用車と接触し、脳挫傷、急性硬膜外血腫、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折などの重傷を負った事例です。約11か月の治療・リハビリ後、復職しても記憶障害や遂行機能障害が残りました。自賠責保険では当初非該当とされ、異議申立ても2回退けられましたが、PET検査、神経心理学的検査、家族による日常生活状況報告書をもとに紛争処理機構へ申請。脳外傷後の神経症状として12級13号が認定され、治療費を除く賠償総額約1,000万円で解決しました。
10秒でわかる事例紹介
まず押さえたい3つのポイント
後遺障害等級非該当 → 12級13号
相談前の提示額当初の示談提示額は記載なし
獲得賠償金額約1,000万円(治療費除く総額)
主な成果自賠責保険金0円 → 224万円
交通事故頭部を強打し重傷を負う
弁護士へ相談後遺障害非該当、異議2回も非該当
資料整理・交渉PET・心理検査・生活報告書を提出
解決12級13号認定、総額約1,000万円
事故とご相談のきっかけ
事故・相談の概要
50代の会社員女性が、歩行中に普通乗用車と接触して転倒し、頭部を強打しました。
事故直後は意識障害があり救急搬送されました。約11か月の治療とリハビリを経て復職したものの、複雑な業務内容を理解・遂行しにくい、複数の物事を同時に処理できないなど、事故前にはなかった支障が現れました。
怪我・後遺障害の内容
脳挫傷、急性硬膜外血腫、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折などを負いました。復職後には、形や模様、長い物語を記憶しにくい、複数の指示に混乱するといった症状が残りました。症状固定時のCT・MRIでは脳萎縮や脳室拡大などの明瞭な所見が確認できないとして、自賠責保険の後遺障害認定では非該当となりました。
画像所見が乏しい中で、記憶・遂行機能の障害を立証
PET検査、神経心理学的検査、家族の生活報告を組み合わせ申請
紛争処理機構で12級13号、自賠責保険金224万円
- 交通事故後、記憶力や遂行機能に変化が残っている方
- CT・MRIの所見が乏しいとして非該当になった方
- 異議申立てで判断が覆らず、次の対応を検討している方
- PET検査・神経心理学的検査の結果を整理したい方
相談時に抱えていた問題
弁護士が介入する前の問題点
課題は、実生活や復職後の支障が大きい一方、CT・MRIの所見が十分でないことでした。
最初の被害者請求で非該当とされ、1回目の異議申立ても退けられました。専門機関でPET検査を受けたところ、右後頭葉や左側頭葉に局所的な糖代謝低下が確認されましたが、この結果を添えた2回目の異議申立てでも非該当でした。自賠責で計3回認定されなかったため、PET所見と記憶・遂行機能の障害を結びつける資料を整理し、第三者機関で再審査を求める必要がありました。
| 項目 | 相談前 | 弁護士介入後 |
|---|---|---|
| 後遺障害認定 | 自賠責の初回申請・異議申立て2回とも非該当 | 紛争処理機構の審査で12級13号 |
| 医学的資料 | CT・MRIでは明瞭な脳萎縮や脳室拡大が確認されず | PETで局所的な糖代謝低下を確認 |
| 生活上の支障 | 復職後に記憶・遂行機能の障害が顕在化 | 心理検査と家族の日常生活状況報告書で具体化 |
| 自賠責保険金 | 0円(後遺障害非該当) | 224万円(12級認定) |
| 解決金額 | 示談提示額の具体的記載なし | 治療費を除く賠償総額約1,000万円 |
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弁護士が行った対応
- 01
事故後の治療経過、復職後の具体的な記憶障害・遂行機能障害を確認しました。
- 02
被害者請求が非該当となった後、1回目の異議申立てを行いましたが、判断は変わりませんでした。
- 03
専門機関へPET検査を依頼し、右後頭葉・左側頭葉の局所的な糖代謝低下を確認しました。
- 04
PET所見を添えて2回目の異議申立てを行いましたが、再度非該当となりました。
- 05
PET画像、神経心理学的検査(WAIS-IVなど)、家族作成の日常生活状況報告書の整合性を整理しました。
- 06
自賠責保険・共済紛争処理機構に申請し、脳外傷後の神経症状に関する認定の見直しを求めました。
- 07
12級13号の認定後、任意保険会社と損害賠償の示談交渉を進めました。
解決結果
自賠責保険の初回審査と2回の異議申立てでは非該当でしたが、紛争処理機構への申請後、脳外傷後の神経症状として12級13号が認定され、自賠責保険金は0円から224万円となりました。その後の示談交渉では、休業損害約165万円、傷害慰謝料約150万円、逸失利益約510万円、後遺障害慰謝料約260万円などが算定され、治療費を除く賠償総額は約1,000万円とされています。各項目は損害額の内訳であり、自賠責保険金224万円を総額に単純加算するものではありません。
成果の概要
| 傷病名 | 脳挫傷、急性硬膜外血腫、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折 |
|---|---|
| 後遺障害等級 | 非該当(初回・異議2回)→ 12級13号(紛争処理機構) |
| 当初の示談提示額 | 旧サイト本文に具体的金額の記載なし |
| 自賠責保険金 | 0円 → 224万円 |
| 獲得賠償総額 | 約1,000万円(治療費除く。自賠責分を別途加算しない) |
| 主な損害項目 | 休業損害約165万円/傷害慰謝料約150万円/逸失利益約510万円/後遺障害慰謝料約260万円 |
| 主な成果 | PET検査・神経心理学的検査・家族の生活報告を組み合わせ、認定を変更 |
担当弁護士から見た、この事例のポイント
本件の焦点は、CT・MRIで明瞭な形態変化を確認できない状況で、脳外傷後の認知機能への影響をどう示すかでした。PET検査で確認された右後頭葉・左側頭葉の糖代謝低下を、記憶や遂行機能に関する検査結果、復職後の支障、家族による生活状況報告と併せて示したことが重要です。
PET検査だけで後遺障害が認定されるわけではありません。本件では自賠責の初回申請と2度の異議申立てがすべて非該当でしたが、紛争処理機構で資料を総合的に評価した結果、12級13号への変更につながりました。
同じようなお悩みの方へ
交通事故後に物忘れや複雑な作業の困難さが残っていても、CT・MRIの所見が乏しい場合があります。復職後の失敗や日常生活で困る場面を具体的に整理することが、相談時の重要な手がかりになります。
後遺障害の非該当通知を受けた場合には、理由を確認したうえで、追加の医学資料や神経心理学的検査、家族・勤務先からの報告が必要か検討することが大切です。
異議申立てで判断が変わらない場合でも、紛争処理機構への申請が選択肢になることがあります。ただし、検査の必要性や認定の見通しは個別事情によって異なります。
ご本人が事故前後の変化を説明しにくい場合には、家族が同席して具体的な生活上の変化を伝えることも有用です。
示談前に、後遺障害の認定結果、各損害項目、既払い金の扱いを確認し、適切な賠償内容かを検討してください。
※掲載内容は個別事案の解決例であり、同様の結果を保証するものではありません。