顔の傷で後遺障害12級を獲得!
音声でも解説をご用意しています。
慰謝料大幅増額&3か月スピード解決を達成した小学生男子の事例
交通事故に遭い、顔に傷が残るという経験は、特に幼いお子様とそのご家族にとって、計り知れない不安と苦痛を伴います。将来への影響を考えると、「顔の傷」の後遺障害認定や、それに伴う賠償金の獲得は、非常に重要な課題となります。
以下では、顔の傷による後遺障害12級14号の認定を受け、保険会社との交渉で当初「逸失利益ゼロ」と主張されていたにもかかわらず、大幅な慰謝料増額と約3か月の調停でのスピード解決を実現した小学生男子の事例をご紹介します。ご自身の状況と似た交通事故の解決実績を知りたい方、不安を抱えている方にとって、有益な情報となることを願っています。
相談者プロフィール
依頼者は、事故当時7歳の小学生男子でした。ご両親は、お子様の顔に残った傷跡や、左脛骨の開放骨折といった重傷が、将来の学業や遊び、そして社会生活にどのような影響を及ぼすのか、深い懸念を抱えていらっしゃいました。幼いお子様にとって、外貌の醜状は精神的な負担も大きく、成長過程における人間関係や自己肯定感への影響も無視できないものでした。
事故の概要
この事故は、令和3年7月5日午後2時20分頃、大分市内の路上で発生しました。横断歩道のない道路を横断しようとした依頼者が、停車中のバスの後方から進み出たところ、左側の死角から走行してきた相手方の普通乗用車と衝突しました。
依頼者はこの事故により、顔面(左前額部、下口唇、下顎部)に裂挫創を負い、さらに左脛骨開放骨折および右下顎頭骨折という重傷を負いました。大分県立病院において、約9ヶ月間にわたる治療を受け、令和4年3月31日に症状固定となりました。
相談時の悩み・課題
ご依頼いただいた当時、依頼者様のご両親は、保険会社との交渉が初めてであり、今後どのように進めていけば良いか大きな不安を抱えていらっしゃいました。特に、お子様の顔に残ってしまった傷跡(醜状)により、将来の就職や社会生活に生じる逸失利益が適切に評価されるのか、そのようなことについてはどのように補償されるのかという点が大きな懸念でした。
弁護士の対応・戦略
ご依頼を受けた後、依頼者様の正当な権利を守るために、緻密な戦略を立て、実行しました。
(1)外貌醜状の面接調査に弁護士が同席
まず、自賠責保険における外貌醜状の面接調査に弁護士が同席しました。弁護士が同席し、事故による傷の範囲やその具体性を詳細に調査員に説明することで、正確かつ適切な後遺障害認定の可能性を最大限に高めることができました。この対応が功を奏し、依頼者様の顔の傷は無事に後遺障害等級12級14号として認定されました。
(2)民事調停の申立て
後遺障害認定後、保険会社との示談交渉を開始しましたが、保険会社は依然として醜状障害による逸失利益の主張を一切認めず、ゼロ回答を維持しました。 調停の場では、弁護士は醜状障害において逸失利益が認められた数多くの裁判例を具体的な証拠として提示し、「逸失利益が本件でも認められるべきである」という主張を強く展開しました。その結果、保険会社は「逸失利益という名目では支払えないが、後遺障害慰謝料の増額であれば支払う」と態度を軟化させました。
これにより、裁判所基準を大幅に上回る後遺障害慰謝料が認められ、最終的に調停が成立しました。調停はわずか3回の期日で、申し立てから約3か月というスピードで解決に至りました。
解決結果
最終的に、依頼者様は、後遺障害慰謝料400万円を含む、約528万円の賠償金を得ることができました。後遺障害12級の裁判基準の慰謝料290万円よりも大幅に増額という形での解決を実現することができました。
担当弁護士のコメント
今回のケースでは、二つのポイントが早期かつ納得のいく解決に繋がりました。
①自賠責保険の醜状面接に弁護士が同席したこと
外貌醜状の後遺障害認定は、認定基準が非常に厳格であり、「1mmでも基準に満たないと非該当になる」ほどシビアな審査が行われます。弁護士が同席し、専門的な知見から事故による傷の範囲や状態を詳しく説明することで、依頼者様の状態が正しく評価され、後遺障害認定の可能性を最大限に高めることができました。これは、適正な賠償金を得るための第一歩として極めて重要でした。
②訴訟の前に民事調停を選択したこと
外貌醜状の逸失利益については、過去の裁判例の中には被害者にとって不利な判断が下されるものも多く存在します。そのため、いきなり訴訟に移行した場合、逸失利益が認められないばかりか、後遺障害慰謝料の増額すら得られないというリスクがありました。
民事調停は、裁判所を介して話し合いを進める手続であり、訴訟と比較してより迅速かつ柔軟な解決を図ることが可能です。この戦略的な選択により、依頼者様は高額な損害賠償額を獲得しつつ、早期に妥当な金額で解決を得ることができました。
まとめ
今回の事例は、交通事故により「顔の傷」という後遺障害を負った小学生の依頼者が、弁護士の適切なサポートと戦略により、後遺障害等級12級14号の認定を受け、保険会社の当初の「逸失利益ゼロ」という主張を覆し、裁判所基準を大幅に上回る後遺障害慰謝料を認めさせ、約528万円の最終受領総額を獲得したものです。
特に、自賠責保険の醜状面接への弁護士同席と、訴訟ではなく民事調停を選択した戦略が功を奏し、約3ヶ月という早期かつ納得のいく解決に繋がりました。交通事故による顔の傷は、被害者ご本人、特に成長期のお子様にとっては、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があります。
この事例は、そのような情報提供を通じて、同様の不安を抱える交通事故被害者の方々の不安払拭に繋がり、専門家への相談の重要性を示すものとなります。もし、ご自身やお子様が交通事故に遭い、顔の傷や後遺障害、あるいは保険会社との交渉などでお悩みでしたら、決して諦めずに、ぜひ当法律事務所にご相談ください。親身に寄り添い、最適な解決に向けて全力でサポートいたします。
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