家族間の事故の保険は諦めない!胸椎骨折で後遺障害6級5号認定、賠償金0円提示から約820万円獲得の解決事例


交通事故は予期せぬ瞬間に発生し、それが家族間の事故となると、保険の適用や賠償請求について大きな不安を抱える方が少なくありません。「身内だから保険は使えないのでは?」と諦めていませんか? 当事務所では、義理の親子間の交通事故で胸椎骨折の重傷を負い、後遺障害6級5号が認定された80代女性のケースを解決しました。

当初、相手方保険会社から対人賠償保険からの支払いは「0円」と提示されていましたが、当事務所の粘り強い弁護活動と民事調停を通じて、最終的に治療費を除き約820万円の賠償金を獲得しました。本事例は、家族間の事故における保険適用の可能性と、専門家による適切な対応の重要性を示しています。同様の状況でお悩みの方は、ぜひ本記事で解決へのヒントを見つけてください。

相談者プロフィール:胸椎骨折の80代女性が抱えた不安とは?

相談者様は、80代の女性です。事故発生時は79歳でした。職業は、家事従事者(主婦)で、ご自宅で家事全般を担い、ご家族の生活を支えていました。同居されているご家族はいらっしゃいましたが、家事の大部分は相談者様が単独でこなしていました。事故により家事労働に大きな支障が生じたことで、ご本人だけでなくご家族も不安を抱える状況でした。

事故の概要:家族間の事故

本件事故は、相談者様が助手席後部座席に乗車しようとした際に発生しました。車両が予期せず急にバックしたため、相談者様は後ろ向きに転倒し、地面に胸背部を強く打ち付けてしまいました。この事故により、相談者様は胸椎椎体骨折の重傷を負い、その結果、脊柱に変形が生じるという後遺障害6級5号の認定に至りました。特筆すべきは、加害者が相談者様の義理の息子であった点です。このように、交通事故は予期せぬ形で、身近な人との間で発生するケースも少なくありません。

相談時の悩み・課題:保険会社からの「0円」提示と家族への配慮

相談者様が当事務所へご依頼された際の大きな悩みは、まず「親族間の事故で本当に賠償請求ができるのか」という点でした。特に、加害者が義理の息子という身内であったため、感情的な負担も抱えていました。さらに深刻だったのは、相手方の保険会社から、既に受領済みの自賠責保険金と人身傷害保険金で損害は全て填補されており、対人賠償保険からの支払いは「0円」であるとの回答があったことです。

保険会社は、「これ以上支払う保険金はない」と主張していたのです。相談者様はご高齢であり、このような状況でさらに賠償を求めることに心理的な抵抗を感じていました。また、身内の事故であったため、交通事故証明書がないという状況も不安の一因でした。

弁護士の対応・戦略:家族間の事故における保険適用と民事調停の活用

当事務所は、ご相談者様の状況を詳しくお伺いし、まず相手方である義理の息子様が加入する自動車保険の約款を詳細に確認しました。その結果、「義理の親族間の事故も対人賠償保険の支払対象となる」ことが判明しました。

これは、「家族間の事故では対人賠償保険が使えない」という一般的な認識や、保険会社からの「ゼロ回答」とは異なる重要な事実です。この約款の確認により、当事務所はご依頼をお受けすることを決定し、相談者様の不安を払拭する第一歩となりました。

しかし、弁護士が受任した後も、保険会社が対人賠償保険からの支払いを拒否し「ゼロ回答」を維持したため、早期に交渉を打ち切り、民事調停の申立てへと方針を切り替えました。無駄な交渉期間を削減し、裁判所基準に基づいた適切な賠償金獲得を目指しました。

調停での主な争点は、相談者様の「家事従事者」としての休業損害と逸失利益でした。保険会社は家事従事者であること自体を否定してきましたが、当事務所は相談者様の世帯構成や、事故が家事労働に及ぼした具体的な支障を詳細かつ的確に立証しました。

さらに、事故後に購入された電動ベッドの費用(約5万円)や、公的医療保険の対象外であったコルセットの修理費用(1万1,000円)など、細かな実損害についても漏れなく請求を行い、賠償額の上乗せに努めました。これらの多角的な戦略が功を奏し、相談者様に有利な条件で調停を成立させることができました。

解決結果:賠償金0円から約820万円への増額内訳

当事務所の活動の結果、当初は保険会社から「0円」と提示されていた対人賠償保険からの賠償金が、民事調停を通じて大幅に増額され、約340万円の賠償金を獲得することができました。

これに、既に受領済みであった自賠責保険金と人身傷害保険金を合わせると、相談者様が最終的に受け取った賠償金(治療費を除く)は、約820万円に達しました。以下に、その主な内訳を示します。

損害項目 最終獲得額(概算) 備考
休業損害 約109万円 家事従事者としての収入を認定
傷害慰謝料 約109万円 入通院期間等を考慮し増額
逸失利益 約273万円 家事従事者としての労働能力喪失を認定
後遺障害慰謝料 約350万円 後遺障害6級5号に基づく慰謝料
後遺障害診断書費用 約1万円
コルセット修理費用 約1万円 公的保険対象外
通院交通費 約500円
自賠責保険金(既払分) 約467万円 後遺障害等級認定済みの既払金
人身傷害保険金(既払分) 約20万円 既払金
合計(治療費を除く) 約820万円 保険会社からの0円提示から最終的に増額

担当弁護士のコメント:家族間の事故でお悩みの方へ

本件は、家族間の事故であり、当初は相手方保険会社が対人賠償保険からの支払いを「0円」と提示するという、非常に厳しい状況からのスタートでした。しかし、解決にはいくつかの重要なポイントがありました。

まず、保険会社からの「ゼロ回答」が出た時点で、早期に交渉を打ち切り、民事調停へと方針を切り替えたことです。任意交渉では、こちらが適切な根拠を提示しても、保険会社が支払いを拒否するケースは少なくありません。長期の交渉は無駄に時間を費やすだけで、結果的に得る金額も少なくなる傾向があります。そのため、迅速に裁判所の手続に移行したことが、裁判所基準に基づいた適切な賠償金獲得につながりました。

次に、家事従事者としての休業損害や逸失利益の立証に力を入れたことです。保険会社は、相談者様が家事従事者であること自体を否定してきましたが、ご家族の状況や家事への具体的な支障を粘り強く、かつ的確に立証することで、相談者様の正当な権利を認めさせることができました。

また、本件においては、加害者が義理の息子であったため、相手方保険会社の対人賠償保険が適用されるかどうかの確認が突破口となりました。一般的に「家族間の事故は保険が出ない」という認識がありますが、保険約款の免責事由には「父、母、配偶者、子」が規定されており、「義理の親族」は必ずしも含まれないケースがあるのです。この点は、専門家による詳細な約款確認がなければ見落とされがちです。

もし、あなたが「家族間の事故だから」「身内だから」と諦めているとしたら、それは大変もったいないことです。 保険約款は複雑であり、ご自身の思い込みや一般的な情報だけで判断せず、一度、交通事故分野の専門家である弁護士に相談してみることを強くお勧めします。早期に専門家が介入することで、無駄な交渉期間を避け、より早く、より適切な賠償金を得られる可能性が高まります。

当事務所は、交通事故で被害に遭われた方が、安心して治療に専念できるよう、そして正当な補償を受けられるよう、全力でサポートいたします。どんな些細なことでも、お一人で抱え込まずに、まずは一度ご相談ください。

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