膝内側靭帯断裂の後遺障害で14級相当!
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労災認定を活かした50代男性の交通事故解決事例
通勤中の交通事故で膝内側靭帯断裂の重傷を負い、後遺障害に苦しむ50代男性の事例をご紹介します。この方は、保険会社との交渉や後遺障害等級認定に不安を抱えていましたが、当事務所のサポートにより、一度は非該当とされた自賠責保険の後遺障害等級が、訴訟を通じて14級相当と認められ、最終的に約560万円の賠償金を受け取るに至りました。
本記事では、労災保険の活用を含めた弁護士の戦略と、その解決に至るまでの道のりを詳細に解説します。同様の状況でお悩みの方は、ぜひ本事例をご参考ください。
相談者プロフィール:膝内側靭帯断裂に苦しんだNさんの状況
今回の依頼者であるNさんは、通勤中の交通事故により重傷を負われた50代の男性です。彼は既婚で、職業は塗装職の会社員でした。事故前は、仕事で頻繁に膝を曲げ伸ばしたり、重い物を持ち上げたりする作業に従事しており、身体を使うことが不可欠な生活を送っていました。
しかし、事故後は右膝の激しい痛みに苦しみ、以前のように膝を曲げ伸ばすことや重い物を持つことが困難になり、仕事への復帰もままならない状態に陥りました。精神的な苦痛も大きく、ご家族にも大きな負担をかけている状況でした。
事故の概要:通勤中の右折車との接触事故
本件は、Nさんがオートバイで通勤中に発生した交通事故です。片側2車線の道路の追い越し車線を直進していたNさんのオートバイに対し、対向車線で停止していた普通乗用車が突然右折を開始し、Nさんのオートバイと接触して転倒するというものでした。
この事故により、Nさんは右膝内側靭帯断裂の重傷を負い、他にも頚部捻挫、下肢打撲、肩関節捻挫といった複数の怪我を負われました。
相談時の悩み・課題:後遺障害認定と保険会社交渉への不安
Nさんは事故後すぐに当事務所にご相談されました。彼は、加害者側の保険会社との交渉に強い不安を感じており、自身の過失割合についても納得できない状況でした。また、通勤中の事故であったため、労災保険を利用すべきか否か、その手続の煩雑さについて迷いがありました。
特に、膝内側靭帯断裂という深刻な怪我を負ったことで、後遺障害が認定されるのか、そしてそれが自身の仕事や生活に今後どの程度影響を及ぼし続けるのかといった点に、大きな不安を抱えていました。精神的な苦痛とご家族への負担も大きく、専門家である弁護士にこれらの不安を解消し、適切なサポートを受けることを強く望んでいました。
弁護士の対応・戦略:労災認定と訴訟が鍵となった後遺障害等級獲得への道
1. 自賠責保険への後遺障害申請と異議申立て
依頼を受けた後、Nさんの治療状況を詳細に確認し、まずは自賠責保険へ膝内側靭帯断裂に関する後遺障害の被害者請求手続を行いました。しかし、自賠責保険の審査結果は「非該当」、つまり後遺障害としては認定されないという残念なものでした。この結果に対し、弁護士は直ちに異議申立てを行い、後遺障害の再認定を求めましたが、再度「非該当」との判断が下されました。
2. 労災保険を活用した等級認定の獲得
自賠責保険での後遺障害認定が困難な中、弁護士はNさんの事故が通勤中であったという事実に着目し、労災保険の積極的な活用を提案しました。弁護士はNさんの主治医と面談を行い、診断書の内容に加筆修正を依頼するなど、労災保険の後遺障害申請手続きを綿密に進めました。その結果、自賠責保険では非該当とされた膝内側靭帯断裂の後遺障害が、労災保険においては後遺障害等級12級7号として認定されるという成果を勝ち取ることができました。
3. 紛争処理機構による非該当判定と訴訟提起
労災保険で後遺障害等級が認定されたにもかかわらず、自賠責保険側は依然として後遺障害を認めない姿勢を崩しませんでした。そこで、弁護士は紛争処理機構に紛争処理の申請を行いましたが、ここでも残念ながら「非該当」という結果に終わりました。
度重なる非該当の結果にも、決して諦めることはせず、労災認定の事実を重要な根拠とし、裁判所での正当な判断を求めるため訴訟を提起することを決断しました。
訴訟では、相手方の過失割合についてもNさんの不利益にならないよう徹底的に争い、膝内側靭帯断裂の後遺障害がNさんの生活や仕事に与える影響を詳細に立証し、適正な賠償を請求しました。その結果、裁判所はNさんの膝内側靭帯断裂による後遺障害を認め、最終的に後遺障害等級14級相当での和解が成立しました。
4. 人身傷害保険金請求による補償
訴訟で和解が成立し、賠償金の一部が支払われた後も、弁護士はNさんの経済的な補償を最大化するため、Nさん自身が加入していた人身傷害保険に対し、適切な保険金が支払われるよう速やかに請求手続を進めました。これにより、訴訟で獲得した賠償金に加え、Nさんは自身の保険からも人身傷害保険金を受け取ることができ、最終的に受け取る補償総額をさらに手厚くすることができました。
解決結果:約560万円の賠償金と膝内側靭帯断裂の後遺障害14級相当
弁護士が訴訟を通じて粘り強く交渉と立証活動を重ねた結果、裁判所はNさんの膝内側靭帯断裂による後遺障害を認め、最終的に後遺障害等級14級相当での和解が成立しました。
この和解では、膝内側靭帯断裂による後遺障害逸失利益が約318万円、後遺障害慰謝料が約120万円として評価されました。
最終的にNさんが受領した賠償金の総額は、労災保険からの休業補償と障害一時金、自身の人身傷害保険金、そして訴訟によって獲得した賠償金(示談金)を含め、約560万円となりました。内訳を以下に示します。
損害項目 | 受領金額(約) |
---|---|
労災保険からの休業補償 | 85万円 |
労災保険からの障害一時金 | 225万円 |
人身傷害保険金 | 64万円 |
訴訟による最終受領額 | 190万円 |
最終受領総額 | 560万円(上記合計: 5,631,216円) |
担当弁護士のコメント:後遺障害認定のポイントと労災活用
今回のケースで特に重要だったのは、自賠責保険では後遺障害が非該当とされたにもかかわらず、労災保険による後遺障害等級12級7号の認定を勝ち取ることができた点です。一般的に、自賠責保険と労災保険では、後遺障害の審査基準は同一であるとされていますが、労災保険の方がより高い後遺障害等級が認定される傾向にあることが少なくありません。
裁判所は、交通事故の事案において労災保険の認定結果よりも自賠責保険の認定結果を重視する傾向がありますが、これはあくまで傾向であり、全てのケースで必ずそのような結果になるわけではありません。したがって、労災保険で自賠責保険よりも高い後遺障害等級が認定されている場合は、決して諦めずに訴訟を検討することが重要です。本件でも労災認定を足がかりに訴訟を提起し、膝内側靭帯断裂の後遺障害を後遺障害等級14級相当という結果を勝ち取ることができました。
まとめ:膝内側靭帯断裂の後遺障害でお悩みの方へ
交通事故によって膝内側靭帯断裂などの重傷を負い、後遺障害に苦しむ被害者の方々にとって、保険会社との交渉や後遺障害等級認定は大きな不安の種となりがちです。本事例のように、一度は認定が困難とされた後遺障害でも、諦めずに適切な専門家のサポートを受けることで、正当な賠償を受けられる可能性は十分にあります。
特に、お仕事中の事故(通勤災害含む)の場合は、労災保険の後遺障害認定を積極的に活用することで、賠償額を大きく増額できる可能性があります。
当事務所では、交通事故による膝内側靭帯断裂などの後遺障害でお困りの方に対し、一人ひとりの状況に合わせた最適な戦略を提案し、不安の払拭と正当な賠償獲得に向けて全力でサポートいたします。どんな些細なことでも構いませんので、まずは一度ご相談ください。
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