画像所⾒なしでも諦めない!PET検査と紛争処理機構で⾼次脳機能障害12級が認定された事例
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事故後の記憶障害や仕事でのミスに悩んでいるのに、「MRIで異常がないから」と後遺障害が認められない。そんな不安を抱えていませんか?
⾼次脳機能障害は、通常の画像検査では⾒つけにくいケースがあります。適切な⽴証を⾏わないと、本来受け取るべき補償が得られないこともあるのです。
本件のようなケースでは、以下の点が⾒落とされがちです。
・CTやMRIで異常がない=後遺障害認定は不可能、と早合点してしまう
・⾃賠責保険で「⾮該当」になった時点で諦めてしまう
・⽇常⽣活の具体的な⽀障を証拠として報告していない
当事務所は相談料‧着⼿⾦0円(弁護⼠費⽤特約対応可)。
「⾃分の症状が認定される可能性があるか知りたい」というご相談だけでも構いません。
まずは専⾨家の視点による分析をご活⽤ください。
相談者プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 属性 | 50代⼥性、会社員 |
| 傷病名 | 脳挫傷、急性硬膜外⾎腫、外傷性くも膜下出⾎、頭蓋⾻⾻折など |
| 症状 | 記憶障害(新しいことが覚えられない)、遂⾏機能障害(複雑な業務ができない) |
事故の概要
依頼者(Aさん)は、歩⾏中に普通乗⽤⾃動⾞に接触され転倒しました。
頭部を強打し、脳挫傷や外傷性くも膜下出⾎などの重傷を負いました。
受傷内容と治療経過
事故直後は意識障害があり、救急搬送されました。
約11ヶ⽉間の治療とリハビリを続けましたが、仕事に復帰すると以前のように業務をこなせないことに気づきました。
具体的には、次のような症状が現れていました。
- ・複雑な業務内容になると混乱して遂⾏できない
- ・形や模様、⻑⽂の物語などを忘れやすい
- ・複数の物事を同時に処理する場⾯でパニックになる
主治医から症状固定と診断され、後遺障害等級認定の申請を⾏うことになりました。
相談時の悩み・課題
Aさんの最⼤の悩みは、⾃覚症状があるにもかかわらず「画像上の証拠が乏しい」ことでした。
⾃賠責保険へ被害者請求を⾏いましたが、結果は「⾮該当」。CTやMRI画像では、⾼次脳機能障害の認定に必要な「脳萎縮」や「脳室拡⼤」といった脳の器質的損傷を⽰す所⾒が、症状固定時には確認できないと判断されたのです。
「仕事にこれほど⽀障が出ているのに、何も認められないのか」
強い不安を抱え、当事務所へ相談に来られました。
弁護士の対応・戦略
本件は、通常の画像検査(CT‧MRI)では異常が捉えきれていない「画像所⾒が乏しい⾼次脳機能障害」の事案でした。
弁護⼠は以下の戦略で粘り強く⽴証を進めました。
1.異議申⽴と新たな医学的証拠の整備(PET検査)
⼀度⽬の⾮該当結果に対し異議申⽴てを⾏いましたが、再度「⾮該当」となりました。
そこで弁護⼠は、脳の機能低下を可視化するため、専⾨機関へ「PET検査」を依頼しました。
PET検査の結果、Aさんの脳(右後頭葉や左側頭葉)に局所的な糖代謝の低下が認められました。
これは「記憶⼒が低下した」「⽬で⾒ても形を覚えられない」といった症状と医学的に整合する重要な所⾒です。
この新証拠を添えて⼆度⽬の異議申⽴てを⾏いましたが、⾃賠責保険の判断は覆りませんでした。
⾃賠責保険の実務では、PETなどの機能画像よりも、CT‧MRIによる「脳の器質的損傷」の有無を厳格に重視する傾向があるためです。
2.紛争処理機構への申請
⾃賠責保険で計3回(初回+異議2回)否定された結果を受け、弁護⼠は「⼀般財団法⼈ ⾃賠責保険‧共済紛争処理機構(紛争処理機構)」への申請を決断しました。
紛争処理機構は、⾃賠責保険の判断が妥当かを審査する中⽴的な第三者機関です。同機構は⾃賠責保険よりも柔軟かつ総合的な審査を⾏う傾向があります。
弁護⼠は、PET画像による代謝低下の所⾒、神経⼼理学的検査(WAIS-IVなど)の結果、そしてご家族が作成した⽇常⽣活状況報告書の整合性を詳細に主張しました。
争点とポイント
本件の最⼤の争点は、「MRIなどの形態画像で異常がない場合に、⾼次脳機能障害をどう⽴証するか」でした。
1.なぜMRIで異常がないのに、PETで異常が出るのか
ここで、本件の勝因となった「PET検査」の重要性について解説します。
⼀般的に病院で撮影されるCTやMRIは「形態画像」と呼ばれます。脳の「形」や「構造」に出⾎や断裂があるかを撮影するものです。
そのため、脳の神経線維が微細に傷ついている場合や、出⾎が吸収されて治癒した後は、画像上「異常なし」と判断されることがあります。
⼀⽅、PET検査は「機能画像」と呼ばれます。脳細胞の活動に必要な「ブドウ糖」が、脳の各部位でどれくらい使われているか(代謝)を映像化します。
たとえMRIで脳の「形」が正常に⾒えても、脳細胞がダメージを受けて働いていなければ、その部分のブドウ糖代謝は低下します。
PET画像では「⾊が薄い(または⽋損している)」ように映るのです。
本件では、このPET検査によって「形は残っているが、機能が落ちている」ことを客観的に可視化できたことが、障害の存在を裏付ける有⼒な材料となりました。
2.⽣活実態の報告
⾼次脳機能障害の認定では、画像だけでなく「⽇常⽣活で実際に何ができないか」も重視されます。
本件では、ご家族の協⼒のもと、具体的なエピソード(複数の指⽰を忘れる、⼿順がわからなくなるなど)を詳細に報告書にまとめました。
PET検査の結果と症状が⼀致していることを補強したのです。
交通事故の解決結果は、事故直後の受診‧通院の進め⽅や証拠の準備で⼤きく変わります。
いま何を優先すべきか、弁護⼠が専⾨的知⾒で整理します。
特に重要なのは次の3点です
- ・後遺障害認定に必要な検査や診断書の不備チェック
- ・過失割合や減額事由に関する保険会社への対応
- ・休業損害や逸失利益について、裁判所基準での評価につながる資料の整備
本件では「PET検査による脳機能低下の可視化」が解決のポイントになりました。
⾃賠責で3度否定された認定を、紛争処理機構で覆し12級の認定を実現しました。
認定結果
この結果、⾃賠責保険(審査会)より、画像所⾒と検査結果、そして報告書の内容が整合していると認められ、⾼次脳機能障害として「第7級4号」が認定されました。
解決結果
紛争処理機構での審査の結果、PET画像における局所的な糖代謝低下と臨床症状の整合性が認められ、これまでの判断が変更されました。
脳外傷後の神経症状として「後遺障害12級13号」が認定されました。
認定結果の⽐較
| 項目 | 自賠責保険(異議申立時) | 紛争処理機構(最終結果) |
|---|---|---|
| 後遺障害等級 | 非該当 | 12級13号 |
| 認定理由 | 画像所見なし | PET所見と症状の整合性あり |
| 自賠責保険金 | 0円 | 224万円 |
| 備考 | 3回申請し全て却下 | 専門的審査により判断変更 |
最終的な⽰談⾦額
12級の認定を受けた後、相⼿⽅保険会社との⽰談交渉を⾏い、以下の内容で解決しました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 休業損害 | 約165万円 |
| 傷害慰謝料 | 約150万円 |
| 逸失利益 | 約510万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 約260万円 |
| 治療費を除く賠償総額 | 約1,000万円 |
当初「⾮該当」とされていた状態から、粘り強く⽴証を続けた結果、適正な賠償を得ることができました。
担当弁護士のコメント
⾼次脳機能障害、特に画像所⾒が乏しい事案は、交通事故賠償の中でも極めて難易度の⾼い分野です。
本件のように、CTやMRIで「異常なし」と⾔われても、ご本⼈やご家族が「事故前と明らかに違う」と感じている場合は、脳の機能的な障害が残っている可能性があります。
今回は諦めずにPET検査を実施し、さらに紛争処理機構という専⾨性の⾼い機関へ持ち込んだことが、認定を実現する鍵となりました。
「⼀度⾮該当になったから」と諦める前に、まずは専⾨家による詳細な分析を受けることを強くお勧めします。適切な検査と主張を⾏えば、結果が変わる可能性があります。
担当弁護士:倉橋 芳英
まとめ
- ・MRIで明らかな異常がなくても、直ちに⾼次脳機能障害が否定されるわけではない
- ・PET検査は、脳の「形」ではなく「働き(代謝)」を可視化する有効な⼿段
- ・⾃賠責保険で⾮該当となっても、紛争処理機構で判断が変更されるケースがある
当事務所は、交通事故の相談件数4000件超、年間350件以上の解決実績を有しています。
医学的論争を含む難しい事案にも、経験豊富な弁護⼠が全⼒で対応いたします。
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