【自賠責なし・車検切れで労災14級】訴訟で約340万円を獲得し早期解決した事例(20代男性)
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相手が車検切れで、「自賠責保険が使えない」と言われた。相手の任意保険会社に連絡しても、「自賠責がないため一括対応(治療費の立替払いサービス)はできない」「自賠責分は本人に請求してほしい」と言われ、対応してもらえない。
このように、加害者が任意保険に入っているにもかかわらず、自賠責切れ(無保険)であるために、被害者が制度の狭間に落ちてたらい回しにされるケースがあります。
本件は、追突事故で頸部痛等が残った20代男性Iさんの事例です。通常であれば自賠責保険で行う後遺障害等級の認定手続が利用できないため、弁護士は労災保険の等級認定(14級9号)を先行して取得し、これを「後遺障害の有力な証拠」として活用しました。
さらに、交渉による解決は難しいと判断し、あえて早期に訴訟を提起する戦略をとりました。その結果、労災の認定等級を裁判所基準で認めさせ、提訴から約4か月というスピードで、受領総額約340万円での和解解決を実現しました。
資料がなくても大丈夫です。
口頭で状況を伺い、見通しと次の一手を整理します。
相談者プロフィール
Iさんは事故当時20代の会社員で、飲食店の店舗責任者として勤務していました。調理や接客だけでなく、食材の仕入れや搬入などで重い荷物を扱う場面も多く、身体を使う業務が中心でした。
事故後は首の痛みや動かしにくさが続き、ピークタイムの業務がつらくなったり、疲労が抜けにくくなったりと、仕事への支障を感じていました。責任ある立場だけに、休むこともままならず、精神的な負担も重なっていました。
事故の概要
Iさんが車で走行中、前方車両の右折待ちに合わせて停止したところ、後方から追突されました。 追突事故自体はよくある類型ですが、本件で最大の問題だったのは、加害者車両が「車検切れ」かつ「自賠責保険未加入(無保険車)」の状態だったことです。
通常、加害者が任意保険に加入していれば、任意保険会社が自賠責分も含めて対応(一括対応)しますが、自賠責がない場合、任意保険会社は対応を拒否したり、自賠責分を支払わないなどの強硬な態度をとることがあります。Iさんは、まさにこの制度の狭間で不安な状況に置かれました。
受傷内容と治療経過
診断名は頚椎捻挫などで、整形外科や整骨院へ約7か月半通院し、治療を継続しました。 しかし、十分な治療を行っても首の痛みや重だるさが消失することはなく、主治医により「症状固定(これ以上治療しても大幅な改善が見込めない状態)」と診断されました。
通常であれば自賠責保険へ後遺障害の申請を行いますが、本件は無保険車事故であるため通常のルートが使えず、どのようにして後遺障害を立証するかが大きな課題となりました。
相談時の悩み・課題
任意保険があるのに、誰も動いてくれないときどうするか
加害者が任意保険に入っていても、自賠責保険が切れている(無保険車)場合、任意保険会社は「一括対応(治療費の立替払いサービス)」を拒否することが一般的です。なぜなら、任意保険会社は後で自賠責保険から回収することができないからです。
その結果、被害者は自分で加害者本人と直接交渉するか、自分で治療費を立て替えなければならず、極めてストレスの大きい状況に置かれます。Iさんもこの「制度の穴」に落ち、困り果てていました。
自賠責が使えないとき、後遺障害をどう証明するか
通常、交通事故の後遺障害は自賠責保険の調査機関(損害保険料率算出機構)が認定しますが、本件では使えません。そこで弁護士は、労災保険の活用に着目しました。自賠責保険の後遺障害認定基準は、原則として労災保険の基準に準じて作られています。
つまり、労災で後遺障害等級が認定されれば、それは裁判においても「自賠責の認定と同等の証明力」を持つ強力な武器となります。
相手に弁護士が付いたとき、どう対抗すべきか
相手方(保険会社側)は、「自賠責分は支払わない」「治療費は過剰である」といった主張を展開してきます。
専門知識のないIさん一人では、こうした法的な拒絶理由に対抗できず、正当な補償を諦めかけていました。
弁護士の対応・戦略
労災保険で後遺障害認定をどう勝ち取るか
弁護士は、事故が通勤中であったことから、直ちに労災保険への申請を行いました。自賠責の調査が利用できなくても、国の機関である労働基準監督署が後遺障害を認定すれば、客観的な証明になります。申請の結果、頚の神経症状として第14級9号の認定を獲得しました。これで損害賠償を請求する揺るぎない土台ができました。
交渉に見切りをつけ、なぜ早期訴訟を選んだか
無保険車事故の場合、国の「政府保障事業」に請求する方法もありますが、審査と支払いに長期間(6か月以上など)を要するデメリットがあります。また、相手方任意保険会社との交渉では、本来加害者が負担すべき「自賠責保険分の金額」を差し引いた額しか提示されないリスクがありました。
そこで弁護士は、政府保障事業の審査を待つ時間を節約し、かつ満額の賠償金を確保するため、あえて早期に「訴訟(裁判)」を提起する戦略をとりました。
訴訟提起から約4か月で解決できた理由は何か
訴訟において、弁護士は「労災認定の結果(14級)」を証拠として提出し、裁判所基準(弁護士基準)での算定を求めました。すでに労災という公的機関の認定があったため、裁判所もスムーズに後遺障害の存在を認め、こちらの主張に沿った和解案を早期に提示しました。
その結果、提訴から約4か月という異例のスピードで、受領総額約340万円での解決に至りました。
争点とポイント
自賠責切れは労災でカバーできるか
業務中や通勤中の事故であれば、労災保険の認定結果が極めて有効です。自賠責保険と労災保険の後遺障害認定基準は基本的に共通しており、労災で等級が付けば、裁判所もその等級を前提に賠償金を計算する傾向にあります。本件は、自賠責不在のハンデを労災認定でカバーした好例です。
イレギュラーな案件ほど訴訟が早いのはなぜか
本件のように「車検切れ・自賠責切れ」といったトラブルがある場合、当事者同士や保険会社との任意の交渉では、「誰がどこまで払うか」の押し付け合いになり、解決が長期化しがちです。
しかし、裁判所という強制力のある場で、客観的な証拠(労災認定)を示して白黒をつけることで、相手方も観念し、結果としてダラダラと交渉するよりも早く、適正な賠償金を受け取れるケースがあります。
交通事故の解決結果は、事故直後の「受診・通院の進め方」や「証拠の備え」で大きく変わります。いま何を優先すべきか、弁護士が専門的知見で整理します。特に次の3点が重要です。
- ・後遺障害認定に必要な検査や診断書の不備チェック
- ・過失割合や減額事由に関する、保険会社への対策
- ・休業損害や逸失利益について、裁判所基準での評価につながる資料の整備
加えて、本件では「労災認定と早期訴訟への切り替え」が解決のポイントになりました。
解決結果
訴訟提起後約4か月で和解が成立し、受領総額約340万円を確保しました。
| 損害項目 | 受領金額(約) |
|---|---|
| 休業損害 | 約9万円 |
| 傷害慰謝料 | 約100万円 |
| 逸失利益 | 約106万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 110万円 |
| 最終受領総額 | 約340万円 |
受領総額約340万円には、最終的な和解金に加え、示談前に受領した労災からの給付金などが含まれます。治療費は別途支払われており、ここには含んでいません。
担当弁護士のコメント
加害者が自賠責保険に入っていない(無保険車)事故では、任意保険会社は「一括対応(治療費の立替払い)」を拒否することが一般的です。立て替えたお金を自賠責から回収できないためですが、これにより被害者の方は治療費の支払いや後遺障害の申請ルートを断たれ、孤立してしまいがちです。
本件の勝因は、進展しない交渉や審査に時間のかかる「政府保障事業」に固執せず、「労災保険で後遺障害(14級)の認定を取得しておいたことが決定打となりました。自賠責保険の認定基準は労災保険の基準に準拠しているため、労災での認定結果は、裁判所においても「後遺障害が存在する」という極めて有力な証拠となります。
これにより、裁判所基準での満額回答をスムーズに引き出すことができました。
「相手が無保険だから」「保険会社に断られたから」と諦める前に、労災や裁判など、別の手立てがないか検討することが重要です。
まとめ
相手方が自賠責保険を使えないというイレギュラーな事故でも、労災保険の活用や、訴訟による裁判所基準(弁護士基準)での算定を組み合わせることで、適正な賠償金を早期に獲得できる場合があります。
保険会社から「一括対応はできない」と断られたり、交渉が膠着して話が進まないと感じたら、漫然と待つのではなく、早めに弁護士に相談し、解決方針を大きく組み替えることが大切です。
当事務所は、相談料0円、着手金0円です。
弁護士費用特約の利用にも対応しています。
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状況を伺い、次の一手を一緒に整理します。
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