【顔の傷、後遺障害】中学生男子の顔に残った傷痕が後遺障害12級14号に認定!


音声でも解説をご用意しています。

逸失利益も獲得し約710万円の賠償金を獲得した事例

交通事故で顔に傷を負ってしまい、将来への不安を感じていた中学3年生のKさん。
保険会社からは逸失利益がゼロと提示され、後遺障害認定も困難だと悩んでいました。

本記事では、当事務所の弁護士がどのようにKさんの不安を解消し、後遺障害12級14号の認定と約710万円の賠償金獲得という結果に導いたのか、その解決事例を詳しくご紹介します。

顔の傷跡による後遺障害でお悩みの方、特に未成年の方やそのご家族にとって、専門家への相談が早期解決と適正な賠償金獲得にいかに重要であるかをお伝えします。

依頼者プロフィール:中学生Kさんの事故前の生活

Kさんは、事故当時15歳だった中学3年生の男性です。活発で明るい性格のKさんは、友人と共に学校生活を謳歌し、部活動にも積極的に励んでいました。しかし、不運な交通事故により顔に深い傷跡が残ってしまい、その後の学校生活、そして進学や就職といった将来の進路に対して、大きな不安を抱えることになります。

特に、思春期という多感な時期に顔に傷が残ったことは、Kさんにとって精神的に計り知れない苦痛となり、ご家族もKさんの状況を案じ、生活に支障が出ていました。

事故の概要:顔の傷跡と頭部打撲の重い受傷

事故は、Kさんが歩道のない道路の左側を自転車で直進中、対向車がハンドル操作を誤り、Kさんの自転車と接触したことで発生しました。この衝突により、Kさんは頭部打撲と顔面に多発性の外傷を負いました。

特に顔の傷跡は深く、額、左頭部、左口唇、左頬根部に複数の瘢痕(傷跡)が残ってしまいました。複数の医療機関で約半年間にもわたる治療を続けましたが、傷跡は完全に消えることはなく、日常生活を送る上で目立つ形で傷跡が残存し、後遺障害が残る状態となってしまいました。

相談時の悩み:顔の傷跡と将来への不安

Kさんとご家族は、初めての交通事故経験であり、事故後の対応に大きな不安を抱えていました。特に、警察への届け出や今後の治療の進め方、そして保険会社との交渉をどう進めたら良いのか全く見当がつかない状況でした。

最大の悩みは、顔に残った傷跡が将来に与える影響でした。この傷跡が「後遺障害」として認められるのか、そして将来の就職や結婚などに影響が出る可能性があるにも関わらず「逸失利益」が認められるのかについて、非常に心配されていました。

保険会社からは、顔の傷跡に対する逸失利益は基本的に認められないという見解を伝えられており、Kさんの将来を考えると、このままではいけないという強い危機感を持って当事務所にご相談されました。

弁護士が導いた解決への道:顔の傷における後遺障害認定と逸失利益獲得の戦略

(1)医証収集と主治医との連携

弁護士は、まずKさんの症状固定(治療を継続しても改善が見込めない状態)に向けて、主治医と密に連携を取りました。顔の傷跡の後遺障害認定は明確な基準が設けられており、わずかな傷跡の大きさや形状の記載漏れ一つで認定の可否が大きく左右されるため、正確な医証収集がとても重要です。

弁護士は、医師に対して、今後の後遺障害認定で重要となるポイントを共有し、客観的で正確な診断書と所見を作成してもらうよう、丁寧にサポートを行いました。これにより、Kさんの傷跡の状況が医学的に適切に評価される土台を築き上げました。

(2)後遺障害認定面談への弁護士同席が重要だった理由

Kさんの後遺障害等級認定のための面談には、当事務所の弁護士が同席しました。顔の傷跡(外貌醜状)の後遺障害認定では、傷跡の長さや大きさがわずか1mmでも認定基準に満たなくても等級が認定されないという非常にシビアな審査が行われます。

面談では、審査員に対し、事故によってできた傷がどれであるかを詳しく説明しました。事故から時間が経つと、浅い傷であった部分は傷痕かどうかがわからなくなるので、この説明は重要です。弁護士が同席が、Kさんに適正な後遺障害12級14号が認定される上で重要な役割を果たしました。

(3)保険会社との粘り強い交渉:逸失利益ゼロからの逆転

後遺障害等級が認定された後、保険会社からは、外貌醜状に対する逸失利益をゼロとする示談案が提示されました。これは、顔の傷跡が将来の就職や昇進に影響を与えないという保険会社の一般的な見解に基づくものでした。

逸失利益のゼロ提示を受け、過去に中学・高校生などの未成者年が顔の傷跡によって逸失利益を認められた多数の裁判例を徹底的にリサーチしました。これらの豊富な裁判例を根拠に、保険会社側の弁護士に対し、Kさんの将来の労働能力喪失の蓋然性(可能性)を主張し、粘り強く交渉を重ねました。

その結果、訴訟に移行することなく、和解によって保険会社も当方の主張を認め、最終的に逸失利益を認めさせることができました。これは、依頼者であるKさんにとって精神的・時間的な負担を最小限に抑えながら、適正な賠償金を獲得できた大きな成果です。

解決結果:後遺障害12級14号認定と約710万円の賠償金

当事務所にご依頼いただいた結果、Kさんは後遺障害等級12級14号の認定を受け、最終的に約710万円もの賠償金を獲得することができました。

担当弁護士のコメント:顔の傷、後遺障害でお悩みの方へ

(1)醜状面接への弁護士の同席

この事例の最大のポイントは、顔の傷痕の後遺障害の認定に際し、弁護士が審査機関での面接に同席し、傷痕について詳細な状況説明を行った点にあります。外貌醜状の等級認定は、傷の長さや大きさが1mmでも基準を満たしていないと後遺障害とは認められないというシビアな審査が行われます。

そのため、専門家によるきめ細やかなサポートが不可欠です。当事務所の弁護士が面談に同席し、審査基準に沿った適切な説明を行うことで、Kさんに適正な後遺障害12級14号が認定される可能性を大きく高めることができました。

(2)裁判例を根拠にした外貌醜状の逸失利益の交渉

保険会社が逸失利益を当初ゼロと提示してきた点も大きな壁でした。しかし、過去の判例を徹底的に分析し、特にKさんと同じ中学・高校生が顔の傷跡によって逸失利益を認められた多くの裁判例を根拠として、粘り強く交渉しました。

外貌醜状の後遺障害の案件では、保険会社は、ほとんどのケースで「逸失利益はゼロ」という主張をしてきます。この主張に対して、根拠に乏しい主張をしても保険会社は逸失利益を認めません。

しかし、このような場合でも、類似の事案での裁判例を数多く示すなど、根拠に基づいた主張を行うことで、訴訟に至ることなく、外貌醜状の逸失利益を認めさせることができることがあります。

まとめ

交通事故によって顔に傷跡が残る「外貌醜状」は、身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛が大きく、特に将来の生活や職業、人間関係に多大な影響を与える可能性があります。保険会社は、こうした将来の逸失利益を軽視する傾向にありますが、専門知識と交渉力を持った弁護士が介入することで、状況は大きく変わる可能性があります。

もし、ご自身やご家族が交通事故で顔に傷を負い、後遺障害の認定や将来の補償についてお悩みでしたら、一人で抱え込まず、できるだけ早く法律事務所にご相談ください。専門家が医証収集から後遺障害認定面談への同席、そして豊富な判例に基づいた保険会社との粘り強い交渉を行うことで、適正な後遺障害等級認定と、正当な賠償金(特に逸失利益)の獲得につながる可能性が格段に高まります。

当事務所は、交通事故被害者の皆様が抱える不安を解消し、納得のいく解決へ導くための専門性と実績を兼ね備えています。私たちは、あなたの不安を解消し、より良い未来へ踏み出すためのお手伝いを全力でさせていただきます。お困りの際は、お気軽にご相談ください。

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