【外貌醜状(顔の傷)で後遺障害12級】10代男性が逸失利益ゼロ提示から覆して約710万円を獲得した解決事例



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交通事故で顔に傷跡が残る「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」は、身体的な痛み以上に、被害者の心に深い傷を残し、将来への不安を大きく掻き立てるものです。

特に被害者が未成年の場合、進学や就職、結婚など未来への影響を懸念されるご家族は少なくありません。

しかし、保険会社は「醜状障害は手足の怪我とは異なり、身体機能や運動能力に直接的な影響を与えないため、労働能力の喪失はない」と主張し、本来支払われるべき逸失利益(将来の収入減少分)を「ゼロ」と提示してくるケースが多々あります。

本件は、顔に複数の傷痕(外貌醜状)が残った10代の男子生徒Kさんについて、弁護士がサポートを行った事例です。弁護士はまず、適切な後遺障害等級認定の獲得に尽力し、Kさんの傷跡が「外貌に醜状を残すもの」として第12級14号に該当するとの認定を得ました。

続く示談交渉では、保険会社の「逸失利益ゼロ」という回答に対し、未成年であるKさんには無限の可能性があり、顔の傷が将来の職業選択の幅を狭めるリスクや、対人関係に及ぼす心理的な影響を具体的に主張しました。

その結果、保険会社の当初の提示を覆し、逸失利益の発生を認めさせることに成功。最終的に受領総額約710万円での解決を実現しました。

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相談者プロフィール

ご相談者は事故当時10代の男子学生Kさんです。学校生活や部活動に打ち込み、友人関係も活発な多感な時期を過ごしていました。

しかし、交通事故により顔に目立つ傷痕(外貌醜状)が残ってしまったことで、Kさんは大きな精神的ショックを受けることになります。

ご本人だけでなく、親御様にとっても、子供の将来にハンディキャップが残るのではないか、特に就職活動において面接官に与える印象など、将来の職業選択に不利になるのではないかという不安は計り知れないものでした。

事故の概要

Kさんが自転車で道路を走行中、対向車線から右折してきた自動車と衝突し、転倒しました。
この事故により、Kさんは路上に投げ出され、頭部打撲や顔面挫創(ざそう)などの怪我を負いました。特に顔面の損傷は激しく、緊急処置を受けましたが、額や頬、口元に複数の深い傷が残る結果となりました。

受傷内容と治療経過

事故直後から形成外科などで懸命な治療が行われました。縫合処置により傷口自体は塞がりましたが、事故から半年以上の治療を経ても、線状の傷痕(線状痕)や皮膚の変色(色素沈着)が消えることはありませんでした。

顔の傷痕(外貌醜状)の後遺障害認定においては、「人目につく程度以上」であることに加え、「長さ(3センチメートル以上等)」や「大きさ(10円銅貨大以上等)」といった客観的な数値基準を満たすかどうかが等級を分けるポイントとなります。

傷跡は時間の経過とともに色味が薄くなる傾向があるため、示談交渉の時点では事故当初より目立たなくなっていることがあります。

そのため、後遺障害申請のタイミングである「症状固定日(これ以上良くならないと判断される時期)」を見誤ることなく、その時点での傷の状態を、後遺障害診断書の図面や写真によって正確かつ客観的に証拠化しておく必要がありました。

相談時の悩み・課題

顔の傷は後遺障害として認められるのか

顔の傷(外貌醜状)は、傷の長さや形状が一定の基準を満たせば後遺障害として認定されます。

具体的には、顔面であれば「10円硬貨大以上の瘢痕」または「長さ3センチメートル以上の線状痕」が残れば、第12級13号が認定される可能性があります。しかし、その基準は厳格であり、認定には定規等を用いた正確な測定が不可欠です。

Kさんのご両親は、自分たちだけで申請して適切な等級が認定されるか分からない状態でした。測定結果がわずかに基準に満たないだけで等級が非該当となることもあるため、専門的なサポートなしに進めることに強い不安を感じていました。

保険会社から逸失利益ゼロと言われたが、本当に諦めるしかないのか

外貌醜状であっても、将来の就職や対人関係に影響を及ぼす可能性があるとして、逸失利益(将来の収入減少に対する補償)が認められるケースは多々あります。保険会社の「ゼロ提示」を鵜呑みにする必要はありません。

保険会社からは、「顔に傷があっても手足の機能には問題がなく、労働能力は喪失しない」という理由で、「逸失利益は0円である」と伝えられていました。ご両親は、将来の選択肢が狭まるかもしれないのに補償がないのはおかしいと強い憤りを感じていました。

弁護士の対応・戦略

傷の長さを正確に測ってもらうにはどうすればよいか

弁護士は、後遺障害等級認定に向けた医証の精査と、自賠責損害調査事務所における「面接調査(醜状面接)」への対策を行いました。外貌醜状の認定には、調査員が直接傷の状態を確認し、計測器具で長さを測る面接調査が原則として必須となります。

弁護士はこの面接に向け、事前に医師と連携して傷の長さを正確に測定した図面(後遺障害診断書)を作成してもらい、面接本番では、光の加減で見えにくくなっている傷や、複数の傷が相まって「一個の醜状」を構成している点などを調査員に見落としなく評価させるよう働きかけました。

顔の傷による将来の損害をどう主張するか

逸失利益獲得のため、弁護士は過去の裁判例を徹底的にリサーチしました。特に、Kさんのような未成年者の場合、将来どのような職業に就くか未定であり、顔の傷が「将来の職業選択の幅」を狭める可能性や、接客業や営業職など「対人関係」が重要となる業務において、傷痕が円滑な意思疎通を阻害する要因になり得ることを論理的に主張しました。

争点とポイント

外貌醜状でも逸失利益は認められるのか

傷痕による対人関係への消極性(萎縮)などが、将来の職業選択、職務遂行、昇進・転職に影響を及ぼす蓋然性が高いと認められれば、逸失利益は発生します。

保険会社は、「身体機能に障害がないため労働能力の喪失はない」と主張しましたが、弁護士はKさんがこれから社会に出る若者であることを強調し、外貌が重視される職業に限らず、広く社会生活全般において労働能力に影響が及ぶことを強く交渉しました。

未成年者の慰謝料はどのように算定されるか

仮に逸失利益が限定的にしか認められない場合であっても、顔に傷が残ったことによる精神的苦痛は甚大であるとして、「後遺障害慰謝料」を相場より増額させる余地があります。 本件では、逸失利益の獲得と並行して、労働能力への影響を慰謝料の増額事由として考慮すべきであると主張し、弁護士基準(裁判基準)の上限に近い金額での解決を目指しました。

この種の事故では、次の整理で結果が変わりやすい傾向があります。いまの状況で何を優先して整えるべきかを、分かる範囲から一緒に整理できます。

  • ・必要な記録や資料の揃え方
  • ・後遺障害や過失などの争点の立て方
  • ・休業損害や逸失利益など収入面の説明方法

加えて、本件では、外貌醜状における逸失利益の立証が解決のポイントになりました。
逸失利益ゼロ提示を覆し、受領総額約710万円を確保しました。

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解決結果

粘り強い交渉の結果、保険会社は当方の主張を大幅に認めました。 まず、後遺障害等級については、事前に行った入念な立証が功を奏し、自賠責保険の認定基準通り「第12級14号(外貌に醜状を残すもの)」が認定されました。

さらに、最大の争点であり、当初は「労働能力への影響はない」としてゼロ提示を受けていた逸失利益についても、弁護士が「将来の職業選択の幅が狭められるリスク」や「対人関係に及ぼす影響」を法的に主張した結果、その損害が認められ、約350万円が支払われることになりました。

また、慰謝料についても、逸失利益の実質的な補完という意味合いも含め、弁護士基準(裁判所基準)での増額に成功し、最終的な受領総額は約710万円での解決となりました。

損害費目 受任前提示額 最終獲得額 備考
傷害慰謝料 提示なし 約85万円
逸失利益 提示なし 約350万円 ゼロ提示から増額
後遺障害慰謝料 提示なし 約260万円
合計 約710万円 既払金除く

※金額は概算(万円単位)です。既払い金(治療費等)を除いた、最終的にKさんが受け取った賠償金の合計です。

担当弁護士のコメント

本件のように、顔の傷(外貌醜状)の事案では、保険会社から「手足の機能に問題はなく、労働能力は失われていない」として、逸失利益はゼロであると主張されることがほとんどというのが実情です。個人で交渉しても、前例がない、社内規定だと押し切られてしまうケースが後を絶ちません。

しかし、諦める必要はありません。本件のように、弁護士が調査事務所での面接調査に同席して傷の長さや状態を正確に測定させ、等級認定を確実にすることは解決の第一歩です。

さらに示談交渉においては、過去の裁判例を駆使し、「将来の職業選択の自由が狭められるリスク」や「対人関係への心理的影響」を論理的に主張することで、逸失利益を認めさせることが可能です。

また、仮に逸失利益が難航する場合でも、その分を「後遺障害慰謝料」に上乗せして増額させる交渉も可能です。

まとめ

顔の傷(外貌醜状)による後遺障害は、認定される等級(12級、9級、7級など)や、逸失利益の有無によって、賠償金額が数百万円から一千万円単位で大きく変わります。Kさんの事例が示すように、当初は「ゼロ」と言われていても、弁護士が介入し、労働能力への影響や将来の不利益を法的に立証することで、正当な補償を獲得できる可能性は十分にあります。

  • ・自分の傷は後遺障害になるのか?
  • ・保険会社の提示額(特に逸失利益ゼロ)は妥当なのか?

このような疑問をお持ちの方は、まずはご相談ください。
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