【弁護士ブログ】 ある法廷の素敵な一コマ ~弁護士の業務日記


ある法廷の素敵な一コマ ~弁護士の業務日記


 弁護士の北崎です。

 先日,当事務所の弁護士三人で,民事裁判の証人尋問手続に行って参りました。
 尋問は,民事裁判のいろいろな裁判期日の中でも,特に重要なので,当事務所の弁護士総出で準備をすることもあるのです。

 さて,この尋問の日に先立って,依頼者から,こんな話がありました。
 「じつは,私のことを心配して,尋問を傍聴したいと言ってくれている人がいます。でもその人は,呼吸器を装着していて,車いすに乗っている方なのですが,傍聴はできますか?」
(※画像はフリー素材によるイメージです。)

s_kurumaisu.jpg


 翌日,わたしたちは,裁判所に連絡をしました。
 「これこれこういう方が傍聴希望なのですが,傍聴に問題はないでしょうか」

 その際,わたしは裁判所の書記官さんとこんなやり取りをしました。
 書記官さん「わかりました。ところで,傍聴希望の方は,女性ですか男性ですか?」
 わたし「女性ですが,それがなにか?」
 書記官さん「ええ,もし万一事故があって,その方をご案内したりするときは,男性の職員が女性に簡単に触れるわけにはいきませんから。そのほか事故に備えるためにいろいろお聞かせください・・・・」

 わたしはなるほど,と感心してしまいました。

 尋問の当日にはさらにびっくりすることがありました。
 開廷の少し前に法廷に来てみると, 裁判所の職員の方が,ドライバーと掃除機を持ち出して,法廷の傍聴席に備え付けられているベンチを取り外す作業をしているではありませんか(なお,傍聴席のベンチは,本来ネジで固く固定されています)。
 そうやって車いすのスペースを十分に整えた上で,さらに尋問中は,交代で裁判所職員の方が傍聴席近くで待機してくれていました。
 こうして,尋問はつつがなく終わったのです。
 
 「裁判所が傍聴人のために配慮する」,と言うのは至極当然のことのように思われます。
 ですが,あとで考えてみると,わたしたちの申し出は,裁判所にとって,大きなプレッシャーを感じさせるものであったと思います。
 というのも,裁判所としては,裁判所の設備等によって万一にも事故を起こすことはできません。
 さらに,裁判は,公開の法廷で行われなければならないことが憲法で定められているので,傍聴を拒否するということは原則としてできません。
(※「憲法第82条第1項 裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行ふ。」)


 今回の尋問で,裁判所は最大限の配慮をしてくれました。
 そして,わたしは,裁判所の職員の方がベンチを取り外しているその様子をみて,「裁判の公開という憲法の原則は,こんなにもしっかりと守られているのだなあ」とちょっと感動してしまいました。

 一人の法律家として,涼やかな思いのする出来事でした。

 -了-

(※ご注意)
最近,傍聴をするということを理由に,裁判所に対して不当な要求をしたり,裁判の進行を妨げたりする傍聴人がいます。
そのような不当な傍聴人は,法廷の秩序を害するものとして退廷命令の対象となります。
裁判の傍聴の際は,規則を守り,法廷の秩序を遵守してください。



0120-367-602 受付時間 09:00〜17:30

メールでのご相談はこちら

交通事故無料相談会

日程2017.08.09

開催事務所内会議室

 

出張相談対応中

最新 解決事例のご紹介 ~全ての被害者の方が ご納得のいく賠償を実現したい~

  • 頭部・脳

         解決事例  代表的事例

  • 顔面・目耳鼻口

          解決事例   

  • 肩・鎖骨

           解決事例  

  • 腕・肘・手

           解決事例  代表的事例

  • 腰・腰椎

        解決事例  代表的事例

  • 胎盤・内臓

        解決事例