精神保健福祉士と弁護士との連携について


精神保健福祉士と弁護士との連携について

平成24年11月24日 
大分県大分市 大分精神臨床研究会主催


『精神保健福祉士と弁護士との連携』

(1)弁護士と精神保健福祉士 連携の必要性

・弁護士業務において関わる相談者や依頼者は、日常生活で何らかのトラブルを抱えている人なので、精神的疾患を抱えている人が多い。

・精神保健福祉士が業務上接する人々は、何らかの精神疾患を抱えている人なので、日常生活で法的トラブルを抱えていることが多い。

・それぞれ、専門家として、できることとできないことがあり、連携したサポートが必要。


弁護士にできること

(1)法的トラブルをみつけ解決すること。

・訴訟などの法的手続を取ることができるのは、原則として弁護士だけ(弁護士法72条)。

・法的手続では解決することが難しいケースでも、弁護士が代理人となることで事実上解決できることも多い。


弁護士にできないこと

・相談の中には、法律を使って解決できないケースも多い(ex.法律の要件を満たしていない、証拠がないので訴訟をしても勝てない、そもそも法的トラブルとはいえないetc)

・弁護士が力になれないが、相談者の悩みが深刻な場合にどうするか。弁護士だけではどうすることもできない。

・医療や福祉についての知識があまりない。

・メンタルヘルスのついての基本的な理解が不足している。弁護士の態度によって相談者のメンタルヘルスを悪化させている可能性もある。


連携の態様

・弁護士と精神保健福祉士とで、連絡、情報提供・共有
・相談への随行・同席
・個別事案の依頼・処理

・複数の支援者による事案の共同処理

・事案終結後の継続的支援


各地での取り組み

・法テラス静岡(合同で研修会・相談会を実施、緊密な連絡・情報提供など)

・法テラス可児(緊密な連絡・情報提供、共同での事件処理など)
・兵庫県弁護士会と兵庫県精神保健福祉協会の提携(共同相談会、共同プロジェクトなど)


3つの連携先

・弁護士と精神保健福祉士が提携する場合、提携先は3つ考えられます。①個別の弁護士(法律事務所)、②弁護士会、③法テラス。

・3つの提携先には、それぞれ長短があります。

①個別の弁護士(法律事務所) との連携
メリット:
・迅速・柔軟な対応が可能。
・1対1の関係なので、緊密な関係となりやすい。
デメリット:
・個々の弁護士は、事務所の経営も考えなければならないため、経済的に見合わない事件はあまり受けたがらない。
・弁護士1人での対応となるため、マンパワーが不足し、その弁護士のその時の業務量との関係で十分な対応を期待できないこともあり得る。

②法テラスとの連携
メリット:

・国の機関なので個別案件の採算性を考慮しなくても良い。

・費用面では利用しやすい。

デメリット:
・国の機関であるがゆえ、迅速・柔軟な対応という面では、

個々の弁護士に劣る。
・大分には法テラスのスタッフ弁護士がいない(=採算性を考慮しなくても良い弁護士がいない。)
・法テラス担当の弁護士2人が対応することになり、弁護士会に比べるとマンパワーで劣る。


③弁護士会との連携
メリット:

・各委員会には弁護士が多数所属しているので、マンパワ

ーがある(安定した連携を組める。)。 ・基本的には、ボランティアでの活動なので、採算性とは関係なく連携関係が築ける。

デメリット:
・個々の弁護士よりは機動的な対応で劣る可能性がある。

民事法律扶助について

・同一案件につき3回までの無料相談が可能。

・一般の弁護士費用よりも安い費用で弁護士を依頼することが可能。

・弁護士費用や実費の立て替えを行う。

・場合によっては、弁護士費用が免除になる。


民事法律扶助の資力要件① 収入の基準

家族構成 収入(手取額・賞与含む)
単身者 182,000円以下
2人家族 251,200円以下
3人家族 272,000円以下
4人家族 229,200円以下
以下1名増加につき加算  30,000円ずつ


民事法律扶助の資力要件② 資産の基準

家族構成 収入(手取額・賞与含む)
単身者 180万円未満
2人家族 250万円未満
3人家族 270万円未満
4人家族以上 300万円未満


メンタルヘルスと法律問題

・借金問題
・夫婦関係の問題(離婚、DVなど)
・家族の問題(相続、扶養など)
・職場の問題(解雇、セクハラ、パワハラ、職場での人間関係など)
・認知症や精神疾患者の財産管理など
・交通事故での後遺症


借金問題

・借金問題は、弁護士に相談すれば必ず解決します。
・債務整理には、①任意整理、②破産、③民事再生の3つの手続があります。
・「債務総額≧可処分所得×36」の場合は、自力返済は不可能
・平成15年以前から消費者金融と取引がある方は過払い金がある可能性が高い。
・債務整理は、債務者に取ってデメリットがほとんどないので積極的に行って方が良い。


離婚問題

・法定離婚事由は、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上生死不明、④回復不能な強度の精神病、⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由の5つ。
・日本の司法では、離婚はなかなか認められない。したがって、離婚の相談は受任率が低い。
・弁護士だけではサポートとして不十分
・DV案件については、直ちに警察・弁護士と連携をして被害者を保護する必要がある。

労働問題

・解雇については、訴訟をすれば労働者側が勝てる場合がほとんど。
・セクハラ・パワハラ・いじめは立証が難しく、訴訟をしても勝てる見込みは低い。
・もっとも、会社には、就業環境配慮義務があるので、この義務違反を理由に会社と交渉を行うことで、セクハラ・パワハラ・いじめが事実上やむ場合もある。
・うつ病を患っている相談者も多いので、精神保健福祉士との連携が望まれる。


交通事故

・交通事故により後遺障害が残り、精神疾患を患うことが多い(高次脳機能障害、PTSDなど)。
・弁護士が保険会社から適正な賠償金額を獲得することで、経済面で依頼者(患者)を支え、十分な治療に専念できる環境を整えることが大事。
・弁護士の仕事の領域の中でも専門性が高い領域であるので、交通事故に詳しい弁護士に相談をすべき。
・事故直後からの弁護士に相談をしないと、適正な賠償金額が得られなくなる可能性がある(後遺障害診断書の作成後では遅い。)。

おわりに

弁護士と精神保健福祉士とが連携・協力をしなければ、本当の意味でのサポートが難しい方もたくさんいると思います。 本日の勉強会をきっかけに、そのような連携が始まっていけば良いと思います。

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