示談書を取り交わした後に、再手術費用・休業損害・休業中の自営業の固定費・入通院慰謝料など約83万円の獲得に成功した事例


示談後に、交渉を行い、約83万円の獲得に成功した事例


【大分市内における交通事故の事案】

示談書を取り交わした後に、再手術費用・休業損害・休業中の自営業の固定費・入通院慰謝料など約83万円の獲得に成功した事例

事故の内容

店舗経営者の男性が助手席に乗って移動中に大型トレーラーと正面衝突する交通事故にあい、内臓破裂等の傷害を負いました。

相談・依頼のきっかけ

事故後、小腸摘出手術を行い無事に退院しましたが、事故から約1年後に腹壁瘢痕ヘルニア(*)を発症し再手術を行いました。この再手術が一応は成功したこともあり、後遺障害の等級は非該当となり、事故から約2年3か月後に傷害部分のみで示談を行い、示談書を取り交わしました。

しかし、示談書の取り交わしから約7か月後、再び腹壁瘢痕ヘルニアを発症し、再手術が必要となったため、保険会社と治療費の支払などについて話をしたところ、保険会社からは「既に示談書を取り交わしているので支払いは行わない。」と言われ、全く相手にされませんでした。


相談者は、自営業であったため、再手術のための休業損害などの支払を受けられない限りは再手術に踏み切ることができずに困っていました。そこで、知人の紹介で当事務所に相談に訪れました。

*腹壁瘢痕ヘルニアとは、開腹手術や外傷によってできた腹壁の瘢痕(傷跡)から腹腔内の臓器が脱出するもの。

当事務所の活動

1 既に示談書を取り交わしている点について

既に示談書は取り交わされていたため、交渉の難航が予想されました。

そこで、「示談締結当時に予想できなかった不測の事態については、示談の内容に含まれない」という趣旨の最高裁の判例を引用し、本件においても示談締結時に再手術が予想できていたのであれば、免責条項の入った示談書など取り交わすはずがないとして、保険会社と交渉をしました。

その結果、示談書を取り交わした後にもかかわらず、保険会社から支払いに応じるとの回答を引き出すことに成功しました。


2 支払内容について

① 休業損害について

依頼者は自営業であるうえ、間近に新規店舗の開店を控えていたため、新規店舗開店に伴う賠償金額も含め、休業損害の支払の可否及びその金額が争いになりました。

保険会社は、当初、依頼者が自営業の経営者でありマネジメント業務が中心であるため、入通院が収入に与える影響は小さいとして、休業損害の支払について消極的でした。しかし、依頼者は、マネジメント業務にとどまらず、実際に現場で中心的に店舗を切り盛りしていました。

このような実態を保険会社に示し、入院期間11日を含めた30日分の休業損害の支払を認めさせました。


② 新規店舗の固定費について

このほかに、新規店舗の開店が遅延したことによって生じた固定費の賠償が争いになりました。

保険会社側は、新規店舗は2店目の店舗であり、ストアオペレーションを行ううえで既存従業員への権限移譲を行っているはずであることを理由に、1か月分の固定費の賠償しかしないという回答でした。


そこで、新規店舗開店に際して依頼者自身が現場でストアオペレーションを行うことが必要不可欠あることと、今回の再手術により実際2か月開店が遅延したことを強く主張し、2か月分の固定費の賠償を認めさせました。

結果

以上の交渉の結果、以下のとおり、約83万円の賠償を新たに得ることができました。

治療費 4万1730円
入通院慰謝料 19万4333円
休業損害 43万0020円
固定費 16万8000円

所感

本件は、示談書を取り交わした後にもかかわらず新たな賠償を得ることができたケースです。

このような場合、保険会社が新たな賠償金の支払に応じることは少ないのですが、本件では、示談締結後の事情の変更についての最高裁の判例を引用し、本件の事実関係を示しながら粘り強く交渉をしたことが解決のポイントであった
と思います。

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