不幸にも交通事故により大切な方を亡くされた方へ

大切な方を亡くされた方へ

死亡事故の損害賠償

交通事故で大切なひとをなくされた方へ

交通事故で大切なひとをなくされた方へ

 皆様の大切なご家族やご友人が交通事故に遭われ、お亡くなりになられてしまった場合、ご遺族の方の悲しみは計り知れないものがあります。お亡くなりになられた被害者の方が被った損害は、相続人であるご遺族が代わりとなって請求するしかありません。
 
 しかし、死亡事故での保険会社との示談交渉は、特有の問題点があります。
 そして、その問題点に気が付くことなく、保険会社と示談を成立させてしまう遺族の方が相当数存在しているのです。
 損害賠償についての正しい知識を身に着け、適切な賠償を受けましょう。
 

当事務所の死亡事故の解決事例一覧は、こちら

 

死亡事故の損害賠償が困難であるポイント

保険会社の示談提示と裁判基準に差が開きやすいこと

 死亡事故では、死亡逸失利益(死亡したことにより将来得るはずであった収入を得られなかった損害)と、死亡慰謝料が高額になる傾向になり、全体的な賠償額も高額になる傾向にあります。
 しかし、保険会社が提示する金額は、弁護士や裁判所の基準で見れば必ずしも妥当ではありません。
 自賠責保険の基準を当てはめただけで、個々の事情を考慮しないものもあります。
 全体の賠償額が高額になるために、保険会社の算定額と、弁護士基準による算定額も大きなひらきとなる傾向があります。
 

過失割合の争いが激しくなりうること

 死亡事故は、道路を横断する歩行者と自動車の事故や、被害者車両と加害者車両の両方が走行していた際に起こった事故が多くあります。
 つまり、被害者の過失割合が問題となる事故態様であることが多いのです。
 しかし、事故の当事者である被害者は、なくなっています。
 そのため、警察の捜査や実況見分においても、加害者の供述によって事故態様が決定されるケースが少なくありません。
 

逸失利益の算定が困難であること

 死亡事故では、67歳以上のお年寄りが被害者となるケースが多くあります。
 保険会社が提示する示談においては、こういった高齢者は無職、年金収入者として扱われることが多いです。
 しかし、67歳以上の高齢者でも、農業や自営業などの活動をされている方もいます。
 したがって、保険会社の示談では、被害者の収入が正確に反映されないこともあるのです。

加害者との感情的な対立があること

 死亡事故では、事故後、加害者が「葬儀に出席したい」、「線香をあげさせてほしい」と希望してくることがあります。
 これは、被害者遺族にとって、非常に悩ましいことです。
 遺族によっては、謝罪を望んでいながらも、「加害者に会ってしまうと、加害者になにをするかわからない」と考えて、加害者の対応にストレスを感じてしまう人もいます。
 
 

弁護士依頼をするメリット

裁判基準による損害額算定

 死亡事故において、保険会社が低い提示をしがちな、死亡逸失利益・死亡慰謝料を適切な賠償額で算定します。
 また、加害者寄りになりがちな過失割合を、事故調査や刑事記録調査によって、適切な過失割合に修正します。

 

加害者対応にも弁護士を

 加害者加入の保険会社との連絡、金額の交渉は、被害者遺族にとってとてもストレスがたまるものです。
 事件処理を弁護士に依頼することにより、このようなストレスから解放されます。
 また、事案によって必要がある場合には、加害者本人と遺族との面談に同席することもできます。

 

 

死亡事故に関する代表事例(証明のない収入が認められたケース)

依頼者属性

性別:男性

年代:80代

職業:自営業

 

事故態様と相談

事故場所:大分市

事故状況:横断歩道を歩行中に、自動車にはねられた。

相談のタイミング:事故から約4か月後

相談のきっかけ:適正な賠償金について知りたい。

 

怪我と後遺障害

傷病名:死亡

 

保険会社提示額

損害項目:最終受取金額

金額:約2200万円

 

獲得賠償金額

損害項目:最終受取金額

金額:約2850万円

 

相談から解決までの流れ

 横断歩道上で自動車にはねられ死亡したケースです。ご遺族は、相談前に、自賠責保険に賠償金を請求し、約2200万円を支払われていました。その後、任意保険会社に上乗せ分を請求したところ、「自賠責保険からの受領で損害は全て賠償されているから、新たな賠償はしない。」と回答されました。そこで、このような結論が妥当かどうかを相談に来所され、受任に至りました。

 ご遺族からの聞き取りによると、相当程度の賠償金が新たに支払われるべきケースであり、訴訟を提起することにしました。
 訴訟では、被害者に年金以外の収入があったかが争点になりました。保険会社は、年金以外の収入はないと主張しつづけましたが、最終的には、当方の主張に沿った和解となりました。この他、和解では、弁護士費用と遅延損害金も一定程度支払われるという内容となり、最終的に、自賠責保険からの受料金に加えて650万円の支払いを得ることができました。

 

担当弁護士の振返りポイント(北崎)

 ご遺族自身が被害者請求により、自賠責保険の保険金を先行して受領しているケースでした。
 
 相談前の示談交渉において、任意保険会社は、ご遺族に対し、「自賠責保険からの賠償金にプラスして支払う賠償はない」と回答していました。どこの保険会社であるかは、ここで記載することはできませんが、この保険会社の同じような対応を日常的によくみます。軽微な人身事故の案件でも、後遺障害が認定されるような案件でも、本件のような死亡案件でも、自賠責保険の基準で計算した自賠責保険金額と全く同じ金額を示談金として提示してきます。
 しかし、そもそも、自賠責保険というのは、被害者救済の観点から、交通事故で発生する損害額の一部を支払うという保険で、多くの場合、自賠責保険金だけでは、損害の全額をカバーできません。これに対して、任意保険は、自賠責保険金ではカバーできなかった損害について支払われるものです。自賠責保険と任意保険の関係がこのような関係にあるのですから、任意保険会社が、自賠責保険金額と同一額の示談金額を提示してくることは大きな問題です。任意保険会社は賠償金の支払いをした後、自賠責保険金額相当分を自賠責保険会社に求償して回収することができるため、任意保険会社が自賠責基準での支払いしか行わなかった場合、任意保険会社は実質的には賠償金を支払っていないことになります。これでは、任意保険の保険料を徴収していながら、任意保険の機能を果たしているとはいえません。

 本件では、訴訟を提起して、自賠責保険の受料金に加えて650万円の支払いを得ることができました。上記のような保険会社に対しては、訴訟も辞さないという姿勢で臨むことが重要です。

※個人が特定されない範囲で内容を加筆修正しています。

 

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