60代会社員男性が、左腸骨骨折・左第10肋骨骨折につき14級9号の後遺障害等級の認定を受け、交渉の結果、示談金額が約1.8倍となった事例(約106万円増額)


60代会社員男性が、左腸骨骨折・左第10肋骨骨折につき14級9号の後遺障害等級の認定を受け、交渉の結果、示談金額が約1.8倍となった事例(約106万円増額)

1 事故発生

  依頼者は、自転車で走行中、信号のない交差点で左から侵入してきた自動車にはねられる交通事故にあい、左腸骨骨折・左第10肋骨骨折のケガを負いました。

2 相談・依頼のきっかけ

  依頼者は、通院治療を続けた後に症状固定となり、後遺障害診断を受けた結果、左腸骨骨折後の左腸骨部痛につき、14級9号の後遺障害等級が認定されました。その後、保険会社から示談金額の提示がありましたが、保険会社の提示金額が正当な金額であるかどうか知りたいということでお問い合わせをいただきました。
  支払提示書の内容を確認したところ、不当に低い金額提示であったため、適正な金額で示談をすべく受任しました。主な損害費目についての受任時の保険会社による金額提示は、以下のとおりでした。
損害費目 金額
入院雑費 4万7300円
入通院慰謝料(傷害慰謝料) 75万円
後遺障害慰謝料 45万円
逸失利益 約68万円
合計 約128万円


 

3 当事務所の活動

  受任後,裁判所基準での支払いを求めて保険会社と交渉をしました。
(1)逸失利益
   保険会社は、労働能力喪失期間を3年として示談金を算定していましたが、裁判所基準の上限である5年での算定による支払いを求め、合意することができました。
(2)慰謝料
   保険会社は、任意保険基準での示談金を算定していましたが、裁判所基準での支払いを求め、合意することができました。
(3)入院雑費
   保険会社は、自賠責基準で、日額1100円で示談金を算定していましたが、裁判所基準の日額1500円の算定での支払いを求め、合意することができました。

4 当事務所が関与した結果

交渉の結果,以下のとおり、慰謝料・逸失利益などについて裁判所基準での示談をする
ことができました。  
損害費目 当初提示額 交渉後の金額 増額
入院雑費 4万7300円 6万4500円 1万7200円
入通院慰謝料(傷害慰謝料) 75万円 119万円 36万円
後遺障害慰謝料 45万円 約90万円 約90万円
逸失利益 約68万円 110万円 約42万円
合計 約128万円 約234万円 約106万円
 
 

5 解決のポイント(所感)

  相手方保険会社が、比較的支払い渋りがない保険会社であったため、受任後スムーズに示談解決にまで至りました。依頼者が、保険会社からの示談金額の提示に疑問を持ち、確認のために問い合わせをいただいた結果、約1.8倍(約106万円増額)の金額で示談をすることができました。
  しかし、交通事故の被害者の多くは、保険会社からの示談金の提示に疑問を持たずに示談をしています。弁護士に相談すれば、示談金が増額することが多いことを、もっと多くの交通事故被害者の方に知ってもらうことが必要です。